千葉県有機農業推進連絡会

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ここでは、農と健康を取り巻く問題や論点を取り上げて私達の見解を述べようというものです。
 ご意見、ご感想等お待ちしています。
何故
有機農業か
農業研究 有機農業の
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政治と農業
食品の
安全性
遺伝子
組み換え
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断食の効用 ワクチン 食品添加物 重金属 食品照射 農薬
化学肥料
解毒 BSEとCJD
鶏インフルエンザ 消費者の権利と責任
なぜ有機農業か
 有機農業とは、農薬化学肥料、その他の化学物質を使わないという当たり前のこと以外に、何よりも自然に沿った栽培とその恩恵を最大限に引き出し、人間の健康と幸福を実現することにあります。 
 つまり、一般的に言われる、付加価値がある、2割くらい高く売れるといった経済性や、環境を汚染しないといった今の産業や工業の視点からの環境問題対策のような物事を関心事のみとか、特定の事象のみへの対応といった捉え方ではなく、何よりもそれを食べる動物、とりわけ人間が健康を享受し生きる喜びをもたらすという重要な観点があります。 そのために環境がどうなければならないのか、化学物質の使用がどうでなければならないのか、流通がどうなければならないのか、調理法がどうでなければならないのか、暮らし方や教育がどうでなければならないのか、経済の仕組みがどうなければならないのかといったことが総合的に全体として構築されなければならないものです。

 有機農業は、単に食べ物を生産する手法だけではなく、生き方全体が生業としてあると考えています。

付加価値で人を振り向かせようという発想で、その安全性、味の良さを宣伝することが多いのが一般的ですが、これは単に売るための文句で真の有機的生活、有機的存在とは言えない。 

 自然は、人間が自分自身の首をしめるような産業活動に対して非常に寛容です。 それを良いことに人間は、好き勝手をやり、経済合理性という物指しで何でも値踏みし、時には川を堰き止め、時には毒を撒き、雨を降らせようとしたり、遺伝子をいじくったりしている。 自然の寛容さをまるで試すかのように恐れ知らずの所業を繰り返していますが、地球は人類が居なくなるまで自滅を許すことでしょう。 そして人類が居なくなってからゆっくり再生を始めることでしょう。 地球に優しいというのも良いが、ぼやかさずに人間に、命に優しいという方が良いのではと時々考えます。 

 自分達はいずれ死んで行きますが、子供や孫達は、汚された自然からできる汚れた食べ物しか手に入らなくなり、汚れた空気を吸い、汚れた水を飲みます。 安全基準というまやかしを作り出し、それをその時々の経済政策の都合で上下し、急性症状が出なければ良しとして、人間が代々体内に蓄積して行く汚染は全く考慮していない。 人類は無限の欲望を自然に押し付けてはいけないのです。 自然を無限に受け入れて、その懐でゆったりと生きるのが最も幸福なのではないでしょうか。

 そのためには、教育が重要で、今のような早い者勝ち、ぼったくり、成功思考、弱肉強食、アメリカンドリーム的発想を植え付けるような競争思想、適者生存思想の教育ではなく、全てが共存し、金や物のためではなく、自然と共に協力し合い健康に愉快に暮らすことを学ぶような人間教育、生命教育が必要ではないでしょうか。 それを可能にするのが自然に習う有機農業の役割です。

 さて、前置きはさておいて、何故有機農業かを具体的に述べたいと思います。
これを考えるには、私達人類がその科学の目覚しい成果に目が眩んでいかに命が患っているかを見ることから始めるのが早いと思います。
30兆円という国民健康保険財政が破綻しています。 それでも、人間の平均寿命は乳児死亡率を除くと僅か数年しか延びていません。 それどころか、老人医療費が国保の破綻を来たしたといわれるほど不健康で医療介助を必要とする老人が圧倒的に多いのです。その上、中高年者のガン、心臓血管病、糖尿病が増えています。若年層のアレルギー、学習能力低下、社会的能力の低下など問題が多くなっています。 乳児死亡率の低下を述べましたが、実は流産、死産、奇形児、障害児などを統計的に発表されていませんが、ある小児科医によると流産は全体の25%にも達するといわれています。 無事に生まれたとしても、アレルギーや食品耐性の無い子がたくさんいます。 これは、受胎、妊娠、出産、育児の段階で問題があることを示しています。 
 人類は、その種としての形質や基本的生物としての遺伝子を数百万年前に形成したといわれています。 その頃、何を食べていたかというと狩猟採集生活で全て環境が与えてくれるものばかりだったのです。 そこには、農業機械もないし、人工の化学物質も当然ありません。
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農業研究はどうあるべきか
「売れて何ぼのもの?」

 現在の研究は、科学性に裏打ちされた経済性、経済性のある科学ということが最初に出てくる。 つまり、売れなければ科学的であっても駄目。 売るためには科学的でなければならないともいう。 安全性をどう証明するのか。 長距離流通に耐えるためにはどういった方法があるのか、品種はどうすべきか、保管法、促成、抑制栽培による収益性の向上、といった食べ物である農産物の本来の目的とは大きくかけ離れた目的のために研究が推進されている。 時には、その細分化された目的を実現するために、食べるという視点を完全に見失っている研究テーマも見受けられる。
 地下水汚染を減らすために硝酸態窒素の量を調べ、窒素肥料の施肥料を減らすことが莫大な税金をかけて実験されている。
食べ物としての価値が問われずに商品としての価値が問われる栽培研究、いかに高く売るか、いかに収入を確保するかが判断基準になっている。 また科学の発想は、積み木発想である。 つまり、何かを探る時に、それを要素に分解してそれぞれの働きを解明し、基本的に必要と思われるものを再合成することで、元の物と同じに再現できるという発想である。 しかし、実際にそれが上手くいっているだろうか。 人は、何百種類もの細胞からなる。 また、始まりは、たった一つの受精卵という細胞である。 それが、遺伝子という設計図に沿って与えられた栄養を増殖に用いて様々な細胞を作ってゆく。 60兆個といわれる細胞が設計図通り出来るかどうかは、設計図が必要とする材料が揃うかどうかによって変わるが、仮に揃うと仮定して話を進めると、健康で正常ななんら障害の無い子供が誕生することになる。 では、近代科学で見るとどうなるか。 典型的に遺伝子組み換えで考えてみると、なにか障害があれば、何が原因かを探る時に細菌は居ないか、微細な部分は一体どうなっているのか、どのように機能するのかということを細かに調べ、更に要素が何かと分け入って行く。 そして、森の中に入って木を見、更に木の構造を調べ、木の枝、葉、根、幹、生息昆虫、春夏秋冬の生態などを調べ細胞を調べる。 そしてこれぞと思われるものをいじくってみて障害がどうなるかを見る。 それが、他の木と比べて同じように見えればよいとする。 どうですか。 このやり方で良いと思いたくなりませんか。
 ところが、木を見て森を見ずなのです。 分け入ってみたのは良いが、それが森の一部であることを忘れてしまい、一本の木だけを見るという過ちを犯しているのです。 それが、作物を細分化し、特定の条件下でどう変化するかと調べる。 自然状態で作物を栽培する時は特定の条件下というのは余りない。 天候が変わり、日照時間が変わり、温度、雨量、土壌中の空気、微生物層、土壌組成、腐植の量と活性度、ミネラルの量、播種時期、前作の問題、品種等が常に変わっている。 従って、実験室のような一定の条件というのは成立しない。 更に、細分化し、働きが分かったと思うもので全体を再構築しようとしてもそれが命を再現することになるだろうか。 人体を、科学要素、例えば、窒素、リン、カリウム、炭素、酸素、水素、カルシウム、その他ミネラルからなると分かったとして、これを持ち寄ればそれが細胞になって動き出すだろうか。 今までそれが成功したことは無いし、今後も不可能だろう。 人間はまだ、原始生命を造ることにも成功していないのだ。 もし仮に成功したとしてもそれは,極微細な生命体をも同じに機能させることは出来ないし、生あるものとして復元できないだろう。 
  かつての農業生産は、その土地、気候、品種、雨量、日照などを考慮してなおかつ例年と違う天候だった場合でも収量が得られること、飢え死にしないようにすることが最大の条件だった。 そして自給をまず確保してから、様々な文化活動を行なうのが基本だった。 食べ物が生活の中心であったものが、少しづつ食糧の備蓄も増えて飢え死にする心配が無くなるにつれて、農業がおろそかになってきた。 今では、文化活動を支える単なるエネルギーとしてしか捉えられていない。 それが、農業軽視の始まりでもあろうし、農業によって命を永らえる事,健康であった頃のことが忘れ去られる原因であったろう。
 農業研究は、総合性、全体性を考えて行わなければならない。 今後期待される研究としては、土と健康のつながり、自然の研究(不耕起栽培による肥沃化、土壌肥沃度の維持、未熟堆肥の施用法、自然栽培による大規模化)、健康長寿な人々の耕作法と土壌の特質等が考えられる。 
 自然生態系を見ると、耕さない、除草しない、害虫防除をしないのに毎年毎年豊かに雑草が生い茂り、同じ草が何年も何年も生えている。一般的に草原から徐々に潅木が成長し、次第に背の高い木が優勢になり豊かな森になってくるというふうになって行く。日本には、年がら年中草原というのは余りない。
 
 かつて、地球上を恐竜が闊歩していたが、何故あれだけの巨体をそれもかなりの数支えることが出来たのか。彼等は耕しませんでした。 医者も居らず、近代の科学が支える農業システムは一切無かったのに人類よりもはるかに長く地球に君臨していたのです。 そこには自然の持つ有機農業以上の原理があると考えられます。つまり、今の耕種農業を本当に豊かにする原理が別にあるのではと思う。 
全く何も生えない造成地も数年で草が生え始め、5年もすると鬱蒼と草が茂ります。 耕さない、種を蒔かない、管理もしないでそうなって行きます。 おそらく今の自然条件は、恐竜を養うことは出来ないけれども、小型の人類を支えるくらいの生産力は、自然に備わっているように思われます。 現に農耕の無かった頃も人類は狩猟採集で十分暮らして行けたのです。
 植物は、太陽の光、空気、水、土壌の養分で成長しますが、これらの何がどれ位植物体形成に関与しているのかは分かっていません。 自然生態系で、何も無いところに落ちた種が成長し、数年後には一面に草が生え、5-6年もすると鬱蒼と茂るのは、単に有機農業でいう堆肥がなければというのと違い、その他の養分だけで大きくなっているのです。 ここに、重大な鍵があるように思われます。

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有機農業の目標
 農産物を作ることの目的は、命を繋ぐ事であり、健康長寿に寄与することだろう。 食べ物が自然であることが最も安全であるといえる。 これまで、有機農業は安全だとか環境問題を起こさないとか言われてきたが、それは農薬・化学肥料を使わないことに対する評価であって、より積極的な意味での健康になることや長生きすることの評価としては用いられてこなかった。 しかし、他でも述べているが、昔の人たちは農薬化学肥料無しで栽培してきており、また機械なども殆ど無く手作業で行なっていた時代は、そのようにして出来た農産物を食べていた人たちが極めて健康で長生き、かつ医者要らずだったことが分かっている。 有機農業の優れた点は既に証明されていたのであり、我々に課された宿題は、それを如何に再現するか、如何により健康長寿を実現するかにあると思う。
 また、現行の有機農業では、有機堆肥の投入が不可欠でありかつ、耕起したりビニール多用の施設栽培が多く、実態は農薬、化学肥料の代わりに堆肥や自然な防除を使うだけで、施設、機械、抑制・促成栽培という商業的発想は変わりない。
ここに3点の課題がある。
 第一に自家用にするものを殆ど作っていないということ。自分が食べて生きるためのものをほんの一部つくり、若しくは専作といって有機畜産、有機稲作、有機果樹等と専門化した有機農家が多く、自分が健康に生きるために必要なものを必要なだけ作ることをしなくなった。これが、家畜を自分の土地が養えないほど飼ったり食いきれないほど果樹を作って他のものは購入したりというふうにバランスを掻いてもその不自然さに気付かなくなっている原因である。有機農家や有機農産物消費者が一般の消費者と変わらない病気に掛かったり、同じように患って同じように若くして死んでいるのはこんなことが原因している。 農場から採れた物を食べているのではなく、工場で作られた有害な食べ物もどきを食べているからそうなるのだ。
 また一つは、旬を外した栽培をしている場合が多い。 これは、専作同様経済利益をより多くするためのことだが、ビニール資材や加熱のための暖房を行うなどして環境汚染源になっていることだ。 トマトやきゅうり、レタスが年中欲しいとか、カレーを年中欲しいからじゃが、玉、人参は年中欲しい等という発想では、農家や自然に無理をさせてしまう。 旬に取れるものでサラダやカレーの材料を考えるように変える努力が必要だ。
 今一つは、堆肥量がかなり膨大で、それを得るために必要な面積が確保されなければならないということだ。 これが問題となるのは日本中を有機で栽培する場合だが、例えば、10a当り5トンの堆肥を入れるとすれば、これを得る為には約15トンの原料が必要になる。 山林が自分の土地にあればよいがない場合は、緑肥や野菜くずなどを確保する必要がある。 この量は、生産面積の約三倍の面積が堆肥用有機物生産に必要なことを示している。 これでは、日本が全て有機農業に転換することは困難と思われるので地力を維持・増進させる方法を堆肥投入以外の方法でも考えなければならないし、人糞尿の使用も重要なものになる。 人糞尿は現在下水に流されて水系汚染を引き起こしているが、こんな無駄なことはない。 人間も自然生態系の一部であるから、人糞尿も大いに利用してゆく方向でなければ全国有機化は実現できない。
 その為の一つの方法として不耕起が有力であるが、その生産量はまだまだ十分ではない。 不耕起は機械使用を最低限に抑えられかつ無投入であるから理想的といえる。 しかし、それに要する労力が大きな課題だ。この研究は、未来の有機農業にとって欠くことのできないものだ。
 勿論、人類の文化の捉らえ方を変えて、人類の幸福や人生の充足が、自然と共にあり、健康にいきいきと暮らせることを最高の目標とすれば、全ての人が自給的有機農業生活を行なえば良いのだ。そして、現在それを脅かす様々なことが行なわれており、そのための産業が体系的に出来上がっている。例えば、食品産業、食糧輸送業、倉庫業、食品流通業、緊急以外の医療、保健、医薬品製造業、医薬品流通業、医薬資材製造、農薬・化学肥料等製造業、栄養補助食品業、農業資材製造業等々。更にこれらを支えるため金融、教育などのインフラがある。遺伝子組み換え種子産業などは最も不要なものの一つだ。これらの産業を見直すことによって、社会全体の負荷が減り、これらの産業で生計を立てている人も自給的有機農業を営むことによって天候以外では、経済の好不況のサイクルに苦しめられることも無くなり、失業で生活が脅かされることも無い。農業研究が、単に農産物の自然的栽培法に留まらず、環境や経済も含めた文化全体を網羅した視点で行われ、且つ学術活動の中心として位置付けられなければならない。

 有機農業は、生きる基本であり、社会や文化の目標でもある。
 
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政治と農業、


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食品の安全性
 食べ物が安全であることは当然のことである。 昔から多くの人が試行錯誤の上確立した食べられるもの、食べると毒のあるものを見分けてきた。 だから、有毒植物、薬効植物、食用植物と知識が蓄えられてきたわけだ。 だから食べ物は安全だった。 農薬や化学肥料、加工食品が現われるまでは。 食品の安全は、厚生省が基準に合うかどうかで決めるもので、急性毒性が無ければ殆どが問題無しとして許可されてしまう。従って、慢性毒性、長期間評価は見られていない。 農薬でも添加物でも保存料でも使用条件を守る限りは安全としているが、動物の体内に長期間に蓄積し様々な化学物質が複合的に働く毒性は、食品安全審査の対象外となっている。 これが環境ホルモン作用をもたらしたり、様々なアレルギーを誘発する原因となっており、現在の医療ではこれに対する対策は全く無いに等しい。 

 有機栽培のものが安全なのかという議論がある。 特に畜糞を大量に施して硝酸態窒素が植物体に残る場合の毒性が言われている。畜産に使う飼料の質、水の質、薬剤、重金属類の残留も問題になっている。確かに、畜糞だけを生のまま大量に施すと有害な作用が栽培にも生産物にも出る。これは、有機物を入れれば何でも有機栽培と勘違いさせているこれまでの有機農業のあり方に問題があるのだ。 有機栽培とは、自然を模倣したやり方が原点で、その具体的方法は、アルバート・ハワードが東洋の堆肥作りを体系付けて技術にしたのが始まりで、有機物を完全に好気醗酵させて土に戻してから施すというのが基本だ。伝統的に農耕をやってきた地域では、畜糞が今のように大量に出ることなどは決して無かった。 輸入穀物に依存した畜産は、肉の供給量が土地の生産量をはるかに上回ってしまっている。 日本が自給したとすれば、動物が消費している穀物は人間が消費すべきもので、日本の国土では、家畜の数は大幅に減らなければならない。 かつての家畜は、農耕用であって、乳用、肉用というのは極僅かしかなかった。
家畜の穀物必要量は、卵1kgに対し2kg、豚肉1kgに対し4kg、牛肉1kgに対し8kgといわれている。 さほど飼料効率が悪い。 その上穀物を食べた草食動物の肉は、有害な脂肪が多いのだから2重に無駄をしていることになる。
 東洋の有畜複合農業というのは、家畜が農作業の担い手としての位置付けがあり、その数は極少なく、多くても役牛が一軒に一頭程度で、数軒に一頭ということも珍しくはなかったほど貴重な存在だった。その生産物は、自家用であったり、結いの仲間内で消費するなど商品としてで回ることは無かった。ところが今では、その家畜をたくさん一ヶ所に閉じ込めて不健康な状態で短期間に肉にするとか、大量の乳を出させるなど、商業目的が最優先され極めて不自然な状態で飼っている。

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遺伝子組み換え
 
遺伝子組み換えは、近代科学農業
、西洋思想に沿った科学が行き着く発想で、地球上のあらゆるものを改変して人間の思うように作り変えて、経済に結び付けようというものです。 
 動物も植物も本来その成長に必要な栄養分が必要十分に与えられると全く健康に、充実した一生が過ごせるようになっています。 しかし、経済効率、生産効率といった人間の自然を度外視した欲望によって成長が歪められ、本来の生命力が発揮できないようになってしまっています。 その歪めたものを反省せずに、歪んだ状態を治そうと農学、医学が頑張って来たが、遂に医療費も技術も限界に達し、今ではあらゆる分野の生命科学が遺伝子の解明と操作によってその歪みを直そうとしている。 
しかし、その膨大な費用をかけた研究も、費用の回収を余儀なくされ、未完成な状態で、遺伝子操作植物、遺伝子治療という応用に突っ走ってしまっている。 
 その最たるものが医薬用GM植物。 トウモロコシにワクチンウィルスや化学薬品用の蛋白質遺伝子を組み込んで、大量に安く生産しようという。  トウモロコシは、花粉が飛んで、交配することで結実する。 これは、多くの植物がそうで、特に花粉は風の状態や気流の状態でとんでもなく遠くの方まで飛んで行く。 例えば、避妊薬を組み込んだ花粉が飛んで回りのトウモロコシと交配すると、そのトウモロコシの実は、避妊薬をもっていることになる。 これを、年頃の女性が食べれば、妊娠することが出来なくなってしまう。 B型肝炎ワクチンではどうだろうか。  
2002年11月にはプロディジーン社が50万ブッシェルの食用大豆を医薬コーンで汚染したことで逮捕された。その2ヶ月前には、同じプロディジーンが医薬コーンで周辺の155エーカーを汚染したため焼却命令を出されている。
 今、アメリカでは300以上の医薬用遺伝子組み換え実験圃場がある。(以下の表参照)

 そして、日本のトウモロコシ種子は、60%近くがアメリカ産である。 これを、一般の農家も家庭菜園をやっている人も使っているのが実情である。 農水省は、殆ど検査らしいこともせずに、これを種子として認め輸入を許可している。 

アメリカで行われた医薬品生産用作物試験(開放圃場試験の認可件数)

作物名

件数

作物名

件数

トウモロコシ

134

大麦

3

大豆

22

キャノーラ・ナタネ

2

ウイルス耐性タバコ

10

小麦

2

コメ

9

トマト

1

タバコ

9

ヒマワリ

1

アルファルファ

4

砂糖大根

1

合   計

198

             1991年〜2002131

 医薬品用植物試験を行っている米国企業と試験件数

1991年〜20016月)

試験研究機関・企業

認可された試験件数

プロデイジーン

85

モンサント・アンド・アグラセタス

44

パイオニア

19

アプライド・ファイトロジクス

13

ラージスケール・バイオロジー・アンド

バイオソース

10

クロップテック

7

リマグレイン

4

ウイスコンシン州立大学

3

ダウケミカル

2

アイオワ州立大学

2

カーギル、アムリー・アンド・アソシェーション、ハワイ農業研究センター、ホランブロス農業エンタープライズ、メリステム・セラピウテクス、ノーブル財団、RJレイノルズ、

ケンタッキー州立大学、ワシントン州立大学

 

1

Manufacturing Drugs and Chemicals in Crops by Bill Freeze (July 2002)より引

 遺伝子組み換えには、既に予測された様々な問題が発覚している。以下に列挙してみる。

水平遺伝子伝達 組み換えした遺伝子が主の壁を越えて別の種に移ってしまう。 これは、ベクターと呼ばれるウィルスなどの遺伝子が組み込み遺伝子セットの一部となっており、種の壁に関係なく感染し侵入するように出来ている。 細菌、植物、昆虫、動物などの壁が有効に働かない。
抗生物質耐性 抗生物質をマーカー遺伝子として、組み込みが上手く言ったかどうかを確認するために抗生物質耐性のある遺伝子が使われる。このため組み換え植物を摂取すると抗生物質耐性遺伝子も取り込むため病気などで抗生物質を飲んでも効かなくなる。

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提携と経済と流通
 提携とは、日本有機農業研究会が進めている生産者と消費者のあり方で、安全な農産物を得るためには、消費者と生産者が共に有機農業を維持してゆこうというものです。 消費者は、生産者の作ったものを全て買い取り、農繁期には援農をする。 生産者は、消費者の食べ物を十分に生産してその食生活と健康を支えるという相互責任を持っています。
 これは、一般の流通システムでは、市場価格に動かされ特に輸入野菜が多くなっている現状では、有機農産物の真価を理解しない人にはとても日本の有機農家の価格を維持することは出来ないと考えるでしょう(実際にはさほど高くはない。後述)。いわば、提携とは、中間の流通業者を通さない『顔の見える、交流のある』関係で、農産物の値段設定も一般の市場価格の年間平均価格で決めている提携グループが多い。そして、多くが年間契約です。 こうする事で、中間業者が農家から買い叩いて利ざやを稼ぐのを防ぎ、流通に合う姿、形、量を強制して、規格に合わない農産物を沢山農地に鋤き込む事を防ぎ、かつ直接生産者と消費者が話し合って、作付け計画をしたり天候異変や豊作時、凶作時の状況理解を共有できるのです。 
 消費者が、農業を理解することで人間の勝手な要求を自然に押し付けなくなります。 自然の循環の法則に沿って動くのが有機農業の素晴らしいところです。それを都会の消費者が理解することで、季節外れのものを要求したり、同じものを常に欲しがる事が無くなって、自然の恵みを一杯受けた旬の健康野菜が可能になるのです。 
 この方式は、一般流通が可能にしている消費者の選択の自由、季節外れでも外国のものでもいつでも手に入るという自由を奪うことを意味します。 畑に、自然に合わせた食生活が如何に健康的であるかを証明する過去の事例は、文明社会と全く接触の無かった未開の人々の間に見られます。 現代社会では、子供の頃に商業生産された工場の食品をたくさん餌付けされて、それから脱出することが非常に困難です。 だから、有機野菜の真価を発揮することが出来ていませんが、もし、有機栽培されたものだけを食べて生活する人がいたとすれば、その人は必ず心身ともに健康に活発な生き方をしているはずです。 現在の生産現場は、殆どが流通の経済的都合にあわせて動いています。 その為に、農家は経済的にも健康的にも大きな皺寄せを押し付けられています。 地元の生産現場から直接手に入れられる有機野菜を使って健康を目指されることを願うものです。

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                       健康とは


 健康な状態とは、以下のような状態をいう。

健康状態の特徴

一日中身体にエネルギーが漲っている。 何事にも向かって行く気力がある。
見た目に若く年齢を感じさせない。 体の調子が良く柔らかい。
寝つきが良く、朝までぐっすり眠る。 最適な体重を維持している。
目覚めがすっきりしている。 目に輝きがあり透き通っている。
消化が心地よい。 感謝の気持ちがある。
排便が楽で一日に2-3回ある。 障害や逆風は成長の機会と感じる。
排尿が数時間毎にある。 感情が安定している。
肌がスムースで艶がある。 喜び、笑い、幸福を毎日感じる。
髪の艶が良く輝いている。 性的エネルギーが安定している。
病気は稀で、罹ってもすぐ治る。 人間関係が協力的で楽しく意義が感じられ
満たされている。
頭はすっきりしていて注意力がある。 人生の意義が感じられる。
色々なことをして楽しむことが出来る。 心の平和が得られ享受できる。
無条件の愛の存在を心のそこから感じることが出来る。


 この心身ともに充実した感覚を持って生きている人は少ないのではないだろうか。 加工食品が6-7割を占める食事では致し方ない。
また、医者も患者を見るのではなく、患者にぶら下がっている診療報酬の点数を見ているのでは、到底このような状態へ病人を導こうなどという発想は出てこない。  健康は自分で守るもの。 人頼みではダメなのだ。 何故か。 
 人の身体は、人類となって数百万年、生命誕生から見ると40億年といわれている。 その間医者は居らず、医薬品もなかった。 そして健康だったのだ。 それは、常に自然がもたらしてくれたものをそのまま頂いていたからだ。 人間には健康に生きる力がもともと備わっている。 それが上手く機能しないような食事をしてきたのだ。 簡単な例をとると、 牛は本来草を食べて体を作る動物だ。 それに、穀物と動物の廃棄物を加工して与えたために様々な病気が出る。 狂牛病もその一つだし、様々な畜産用医動薬も当然量が増えるし、獣医の数も必要になる。 牧場で草を食べている限り、その牧草が自然循環の原理に沿って維持管理されている限り決して病気は発生しない。
また、医師も獣医師も、人間や動物の本来持っている健康に生きる力を支えることしか出来ない。 それを勘違いしてまるで神のように振る舞い、『私言うことを聞かなければ死ぬよ』などと平気で思っているし、思わされたり仕方なく従ったりしている。 
 とんでもないことだ。
病気になるのは病原菌や寄生菌、寄生虫がいるからではない。 動植物が本来もっている抵抗力や免疫力が栄養不良な肥料や食事で妨げられているから、病気になリ、寄生虫に侵略されるのであって、適正な肥料、食べ物が与えられれば、本来の力が発揮できるのだ。

 一体、殺菌、滅菌というが、空気中を浮遊して目に見えないものを、スプレーをちょっと撒いたくらいで全滅できると考えているのだろうか。それどころか、我々は微生物無しにはどんなものも消化できないのだ。 微生物や小動物と共生することで健康に生きられるように40億年近くかけて進化してきているのです。  

 自然なものを自然なまま頂く。 できるだけ生で、成分を壊さず、人間に適したものを食べる。 そうすることが、肉体的にも精神的にも道徳的にも健全な人間になることは過去既に証明済みです。 昨今の、心身の病気や道徳の退廃は、本来の身体や脳が正常に出来ていないことによるものです。 

 農業もその自然を模倣する範囲に留めるべきで、自然を破壊して人間の欲望を描くキャンバスにしてはいけないのです。 農業そのものが自然破壊だという人が居るが、そのことをそのまま自然破壊、環境破壊の根拠にしてしまうのは大間違いです。 自然を模倣する農業は、いつでも他の生物と共生できる様になっています。  それが多くの人と仲良く、平和に暮らす基本です。 地元のものを化学物質を一切使わずに自然の力を引き出すような農業によって生産されたものを適量食べる。 これが大本です。
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地産地消・身土不二
 地産地消とは、地元で取れたものを地元で消費するということ、そして身土不二とは土と身体は一つだということを意味し、それぞれその土地で取れたものがその土地に生きる動物にとって最も適しているという意味です。 これが、現在の有機農業運動のスローガンのようになっている。 しかし、昨今の実態は、地元で取れたものを食べている人はほんの僅かで、多くの人が都会に住むようになり、かつ農家にも購入食材で生活するという慣行がまかり通るようになって、有機農家といえども地産地消、身土不二を実践している人は少ない。 その上自給率がカロリーベースで40%、穀物ベースで26%弱とそのほとんどが日本国内のものがないというのが実情。 更に、流通業者が至る所に入り込んでその間に加工業者と全く本来の食の姿からかけ離れてしまっている。 

 流通距離が伸びることでも同じように食材の悪化が目立つようになり、人間の体に合った食べ物ではなく、色々と加工して栄養価がなくなったもの、味がなくなったものに添加物や香味料調味料で味をつけないと食べられたものではなくなってしまう。 それが、急性症状が出ないからと厚生省などが認可してしまう。 殆どの人は国が認可しているのだから安全なんだという。 商売でやっている人は皆そうだ。 その上、医者もアレルギーの人や生活習慣病の人を見て、これは食べ物が悪いからですよという人は皆無に近く、症状を聞いて、その症状を消すことに多額の費用をかける。 身体の中にこのように、急性症状が出ないものを微量に蓄え続けて遂に症状が出てもその原因を特定することは出来ない。 だから、食べ物に問題があるということはいわれないままになってしまう。

 何故、身土不二にこだわるのか。 実態が、都市住民大多数でかつ地元の農家は農薬化学肥料まみれでとても買って食べる気になれないと言われそうだが、しかしこのことが農民をして科学農業に走らせ、疲弊させていることを考えれば、少々無理してでも地元の農家に安全なものを作ってくださいと言って欲しいと願う。 つまり、地元の人が使わないから流通の言うとおり売れるものを作らざるを得ない。 見栄えが良くて形が揃っていて虫の食った痕のないもの,季節外れでも高く売れるものを作ることになる。 

 冬にトマトを作るためにビニールハウスを2重にして重油を炊いて加熱する。 苺も早出しするために、同じ事をする。 少し時期がずれると、別の地方のが出回り、売りそびれてしまう。 全国でこんなことをしている。 早出し、遅出しをして、つまり自然の適期と関係なく市場の都合で作るから、自然に無理をさせてそんな環境にあった種類、栽培法(農薬・化学肥料)を余儀なくさせられる。 本来西瓜は8月頃に取れるものだったのが、寒い地方でビニールハウスで仕立てたものを大量に8月に関東へ持ってくるとどうなるか。 そう、関東のものは暴落してぜんぜん作ることが馬鹿くさくなってしまう。 それで今では正月に苗立てをして5月から6月に出荷できるようにしている。 こんな調子で全国的に狂ってしまっている。 今では、外国産のものまで加わって全くとどまる所を知らない。
 その上、外れると全く金にならないからまるで博打打のような農業になってしまっている。 ビニールは2-3年で全とっかえするからそれがまた産業廃棄物になる。 回収費用が馬鹿にならないと多くは、畑で燃やされ環境ホルモンを排出する。 ビニールマルチ(地面に密着させて使うもので水分保持や抑草の為に用いる)、トンネル、ハウスと年中畑はビニールだらけ。

 こんな事をやっていたのでは、食べ物の本来の意味を忘れてしまう。 食べ物は、食べる人を健康にするという使命がある。 作って何ぼ、売って何ぼのものではない。  自分が作ったものを食べた人の体調が悪くなるのでは業務上過失障害ではないのか。 農薬化学肥料を使うこと、地力のない土壌で滋養のないものを作っても合法である以上、農家のモラル、消費者の自覚の問題になってしまう。 農家にも、消費者にも食べ物の何たるかを再認識する必要があるし、それを保障する政策や制度でなければならない。
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環境問題



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農業聖典
 今回日本有機農業研究会で発行したアルバート・ハワードの『農業聖典』は、まさに有機農業のバイブル的存在だと認められる。
ハワードは、英国人で当時英国領であった植民地へ細菌学の農学者として派遣されている。 
栄養療法
療法というから、当然体調の悪い時に使う様々な対策ということを想像しがちだが、栄養というのは本来人間が命として存在する以前(妊娠前、両親の精子、卵子ができる段階からの栄養)から必要なものであることを考えると、人の食べ方は生き方にも繋がると考えるのが妥当ではないだろうか。 それは、とりもなおさず人間の本来の栄養とはどういうものかということに繋がる健康法でもある。 健康法という言葉は、健康オタクが考えることという特殊な存在のように受け取られる向きもあるかもしれないので健康法とは言わず本来の食べ物といったほうが良いかもしれない。 
 食養法、健康法というと癌にかかった人がやるものという一般認識が強いかもしれない。 事実、癌にかかった人は薬物、放射線、手術と行っても全快することは無く、数年後には再発というケースが多い。しかし、ゲルソン療法では末期ガンの人たちが30-40年と生きて健康でしかも癌が治っていることを考えるとやはり、食べ物が本来の治療法であると思う。
 人間の遺伝子は、恐らく余り傷つかない状態で受け継がれてきているのだと思う。 実際、殆どの人は正常な体、内臓、組織を持って生まれる。 障害があって生まれる子も恐らく遺伝子異常はないのだろう。これは、遺伝子診断が出来る現在確認することが出来るが。 プライス博士の「食生活と身体の退化」に出てくるダウン症の子供についても遺伝的要因ではなく、妊娠前の両親の栄養と妊娠中、出生後成長期の栄養が不十分というふうに捉えられている。 例えば、人間が一つの受精卵から成長し分化してゆく過程を見ると、様々な身体部分が構成されるときには、それぞれの部位を特徴付ける栄養素が必要となっている。 いまの栄養学で言う、カロリーが満たされていればそれでよいというわけではない。 砂糖はカロリーが高いし好みに合っているからそれでカロリーを稼ごうとしても身体はどんどん退化してゆく。 このようなことをしていたら、胎児は本来の人体機能を持つ組織が形成できずに死亡し流産してしまう。 体組織がそれぞれ特徴的に栄養素を持っているのは、動物の肝臓を摂取することで多量に微量栄養素が得られることでも分かる。 胎児の目が形成されるときに必要十分なビタミンAが母親から供給されないと目が形成できなかったり、目に障害を持って生まれたりするのはその良い例である。
 
 翻って、出生後の栄養を考えると、完全な身体をもって生まれたとしても、胎児から乳児、幼児、少年と体が変化し、更に少年が思春期に入って性的特徴を持ち始めるときにも大きな身体変化が起こる。 当然、これらの時にも正常な栄養が無ければ何らかの障害が起こるのははっきりしている。 明らかに分かるのは、思春期の体の形成が十分であるかどうかは、男女それぞれの性的身体特徴が十分に形成されるかどうかを見るとわかる。 現代人は見本にならないので、あえて見本を見るとすれば、ギリシャ彫刻の男女の姿とでも言えばよいだろうか。
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未開食と近代食
 未開とか文明とか呼ぶこと自体が、伝統ある優れた自然への冒涜のように感ずる。 文明とは人間が勝手に優れていると定義して信じ込んでいることである。しかし、プライス博士がその著書「食生活と身体の退化」の中でそのように用いているので便宜上ここでもそう呼ぶことにする。
未開食とは、孤立した文明と接触の無い集落や民族が自分たちの身の回りで昔から食べてきた食べ物のことをさす。 ほとんどの地域はそれぞれ独特の食べ物がある。 山に住む民族、フンザ、ビルカバンバ、アブカザン、チベット、海の近くや平地に住む人たち、エスキモー、メラネシア、ポリネシア、アボリジニー、マオリ、そして平原のインディアンがある。 これらの人たちは、文明と接触するまではその退化の証である虫歯がほとんど見当たらなかった。 植物・動物・昆虫・魚介・海藻類・木の実などありとあらゆるものが自然なままで使われてきていた。
これに対して、文明食とは、商業主義に毒された加工食品、輸送をしても悪くならないものがその中心になる。 つまり、精白された砂糖、精白された小麦粉、これらで作ったビスケット、クッキー、ケーキなど菓子類、植物油、缶詰などが、これら未開の人達の作る毛皮製品や織物、貴重品と物々交換され未開社会に浸透し始めた。その結果、虫歯、結核、消化器病、内臓疾患、精神病、新生児の奇形、障害児などパンドラの箱を空けたようにありとあらゆる病気が出始めている。
 又、狩猟採集で無い民族では、一部農耕が始められており、その人たちが健康を保ち得たのは、外部から持ち込んだものが無い中で全てを循環して生産していたためである。 人間や家畜の排泄物、植物の不可食部分を独特の灌漑を施し、山からの豊富なミネラルと水を施して非常に肥沃な土壌を形成し、豊かな食料を得ていた。 品種についても様々な品種を保持し、同じ野菜でも早生、中手、晩生、耐病性の強いもの、収量の多いもの等を栽培して、どんな気象条件でも収穫が得られるように工夫されていた。 
 結婚する若い男女には、妊娠の前に少なくとも6ヶ月間特別の食べ物を用意して、妊娠後は母親に子供を健康に産むための特別食を与え続けるというふうにその遺伝的能力を最大限に発揮できるように社会が保護する智恵を保持していた。 このようにして栄養を得た妊婦の出産は極めて軽く、新生児も非常に健康であった。これら調査された地域の赤ん坊はどれも機嫌が良く、泣いているのを見たことが無いと記されている。 骨格もしっかりしており、歯列矯正が必要になるような顎の発達が悪い子供は生まれていない。
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砂糖の害

糖類は、人間が自然に暮らしていた時は精製された形で単独では存在しなかった物で、近世に入って精糖技術が進化しプランテーションでの栽培と世界的交易によって主要な貿易品目として世界の隅々まで行き渡るようになった。 
甘味は現代人の味覚から切り離せないものになっており、おいしさの代名詞にもなっている。 砂糖の害は多く化学的に証明されているにも拘らず、業界の経済的利益を優先するがために厚生省もアメリカ食品医薬品局も一般国民にその害を知らせようとしていない。 
  

種類としてはグラニュー糖、グルコース、マルトース、果糖(フラクトース)、蜂蜜、かえで糖、コーンシロップ、コーン甘味料、黒糖、転化糖、三温糖、米シロップ、デキシトリン、麦芽糖等がある

 血液中の糖分は、炭水化物、蛋白質、脂肪などから作るグルコースで十分に間に合うが、砂糖特に単糖類を摂取すると短時間で血糖値が上がり、炭水化物、蛋白質、脂肪から作る機能が休むようになり、かつ血糖値を一定に保つためにインシュリンが出てくる。 これが常に続くとグルコース生成機能が停止し、膵臓が過敏に反応して血糖値が下がる(低血糖症)ため甘いものが欲しくなる。 これが長い間続くと砂糖中毒ともいえる症状になる。更にインシュリンが出続けるような食事をすると膵臓が疲弊してインシュリン生成が停止し糖尿病になってしまう。 

血糖値が下がった時の症状(低血糖症): 
甘いものへの渇望、発汗、震え、鬱、免疫力の低下して様々な症状特に風邪をひき易い等細菌に感染しやすくなる。
砂糖を使った食品
 ケーキ、和菓子、その他菓子類全て、ドーナッツ、加工食品、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、飴、キャンディー、朝食用シリアル、コーンフレーク、菓子パン、ソフトドリンク、ケチャップ、ビール、果実酒、リキュール、コーディアル、シャンペーン、シロップ、噛みタバコ、ガム、佃煮その他上記の糖類を記載した食品、

一般的に知られていない使用法
 食肉の味と色を良くするために屠殺前の動物に与える。
 レストラン用ハンバーガーに収縮を防ぐためにコーンシロップや黒糖を混ぜる。
 パン粉をつけた惣菜
 缶詰食品
 ファーストフードの鶏肉には蜂蜜を注射している。
 弁当に使う肉、ベーコン、缶詰肉等
 ブイヨンキューブ、煎ったナッツ類
 ピーナッツバター、
 ソース類

 甘いものを食べると一時的に体調が良くなるが血糖値を保つために膵臓がインシュリンを出すという悪循環となって膵臓は働き尽くめになる。 これを長い間続けると、また摂取量が多いと短時間で膵臓が疲弊し、インシュリンを出すことが出来なくなってしまう。 こうなると血糖値が上がりっぱなしの糖尿病になる。 血液中の糖分は、体のミネラルバランスも崩してしまう。 

カルシウムを使う砂糖の代謝(代謝作用)
 身体は常に一定の状態を保とうとする恒常性(ホメオスタシス)作用がある。 このバランスを維持するために様々なことが行われているが、血糖値(80+/-5)を保つこともその一つで、血液中の砂糖を代謝するために、カルシウムが使われる。 砂糖を食べると血清カルシウムの量が増えるのはこのためである。 このカルシウムは食事中から得られないものは、ミネラルの貯蔵庫である骨から引き出してくる。 これが、骨粗鬆症やカルシウムが足りないことによる神経(イライラ)への影響として出て来る。 カルシウムと:リンは10:4が最もバランスの取れた状態で、この数値が維持できると虫歯にも罹らず、身体の科学バランスが取れている。
 
中毒の進行
 中毒にはアルコール中毒、ニコチン中毒、カフェイン中毒、薬物中毒などがあるがこれは体が初め異常反応を示していたのが依存してしまう状態になることだ。 例えば、ニコチン中毒で見ると、タバコを始めて肺に吸い込むと酷く吐き気がしたり目眩がしたり頭がふらついたりという急性中毒症状を呈する。 しかしこれを繰り返しながらも吸い続けると次第に症状が軽くなってゆき、普通に吸えるようになる。 更に吸うことで今度はタバコ無しでは落ち着かなくなる。
 この過程を汎適応症候群という。 最初は、過敏反応をしてアレルギーであることを示している。 次第に適応して吸うことで気持ちが落ち着いたりするようになる。 逆に、摂取しないことによる精神神経、身体症状等の禁断症状も出るようになる。 この段階では、アレルギーを補うように体が変わっている。 害が無いということではない。 その結果は、最終的にこの補う(保証)作用が疲弊し破綻するという形で出て来る。 この破綻は、人によって違うが、ガンであったり、心臓病、精神病、循環器障害、消化器障害といった形で出て来る。
 身体の科学バランスが崩れるような食べ物を食べることはあらゆる病気、退化病の引き金になって行く。
  

退化病への進行
砂糖を摂取することで出る症状には以下のようなものがある。
低血糖症、糖尿病、便秘、腸内ガスの発生、喘息、頭痛、乾癬、ガン、関節炎、月経前緊張症候群、カンジダ症、肥満、心臓病、骨粗鬆症,虫歯、多発性硬化症、腹部膨満症候群、潰瘍性口内炎、胆石、腎結石、嚢胞性繊維症
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健康な油とは

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穀物のこと

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大豆は有害

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歯の健康
 虫歯: 虫歯の原因は歯を溶かす細菌の分泌物であるといわれ、砂糖など甘いものがついたままの状態にして置くと菌が繁殖して歯のカルシウムを溶かし出すといわれている。これも一つの見解として正しいのだが、しかしその原因の根本は食べ物の誤りにある。 未開の人々で文明の食べ物と接触の無かった人たちは歯を磨かないのに虫歯が殆ど無かった。 イモ類を食べる種族だけが若干虫歯があった程度である。 そして、彼らは砂糖、精白小麦、お菓子、缶詰などの加工食品を摂っていなかった。 これらは、免疫力を落とし様々な病気に対する抵抗力を下げる元凶で、これらを食べ始めた未開人は、瞬く間にその素晴らしい抵抗力やきれいな歯を失っていった。

 歯周病: 歯周病も同様に組織の抵抗力がなくなったために、細菌が優勢となり歯周組織が侵されて行く病気で、本来唾液の中に歯周病菌の繁殖を抑える成分がなければならないのに、虫歯ができるのと同様の食べ物によって抑止力が弱っていることによる。 歯磨きで歯周病を克服しようなどと本末転倒したことを吹聴する医者がいるが、身体が本来持っている免疫力、抵抗力が発揮できるような栄養を摂ることが大前提だ。

 アマルガム:虫歯治療に用いられる金属製の詰め物だが、これには50%近く水銀が入っている。 アマルガムは水銀、銀、銅、錫、亜鉛の合金。 合金として固まってしまえば漏出してこないので安全といわれていたが、実際には、硬いものを噛んだり熱い物を飲んだりすると危険な水銀蒸気として出てくる事が分かっている。 水銀、特に水銀蒸気は猛毒でこれが肺を通して血中に入り込み全身に回って色々な組織に蓄積されてしまう。 水銀は神経毒で水俣病を起こしたのはメチル水銀という有機化合物でアマルガムからの水銀蒸気も体内で有機物と化合して神経毒となる。入り込む組織に様々な悪影響を起こす事が知られているが、その取り扱いが簡単であることと安価であることが理由で沢山使われてきた。 しかし、最近は有害性が歯科医の間でも知られるようになり、樹脂(レジン)に変えられているものが多い。 それでも、日本ではまだ25%くらいに使われているようだ。
 蛍光灯には水銀が使われていて、120cmの蛍光灯で約22mg入っており、危険物として処理が義務付けられている。 歯に使われるアマルガムの平均量は、1000mgである。 なのに、口の中に使って安全とされて未だに使われている。
脳に溜まった場合には、アルツハイマー、パーキンソン氏病、ALS(筋萎縮性側索硬化)を引き起こしたり、脳神経障害を起こす。 妊娠中の母親にアマルガム処置の歯があると、水銀が胎児に移行することも分かっており、幼児の突然死などの症例も報告されている。
水銀蒸気による影響
脳神経への影響(過敏性) イライラ、神経質、引っ込み思案、臆病、記憶喪失、集中力欠如、自信喪失、知力の減退、自制心欠如、癇癪、鬱、心配性、眠気、不眠症
口腔内の障害 歯茎の出血、歯槽骨溶脱、歯のぐらつき、唾液の過剰分泌、口臭、金属味、白斑症、歯周炎、口内炎、歯茎、口蓋、舌の潰瘍、口や喉の焼け付く痛み、色素沈着、腹部痙攣、便秘や下痢、大腸炎など消化器障害
全身への影響 心臓血管系 不整脈、(頻脈、徐脈)、弱く不規則な脈、血圧の変動、胸の痛みや締め付け感
神経系 慢性的又は頻繁な頭痛、目眩、耳鳴りや雑音、震顫(手、足、唇、瞼、舌)
呼吸器系 頑固な咳、気腫、呼吸が浅く不規則
免疫系 アレルギー、喘息、鼻炎、副鼻腔炎、リンパ節腫脹(主に首)、
内分泌系 低体温、冷たいジトジトした手や足、過剰発汗
その他 筋力低下、言語障害、ボヤケ又は二重視、疲労、貧血、低酸素症、浮腫、食欲減退、体重減少、関節痛、手足の痺れ
重症例 幻覚、躁鬱病
水銀の汚染源 多い順にアマルガム、ワクチン、魚介類(メチル水銀)、産業

又、アマルガムは異種金属との間で電位差を生じ、常時接触している場合(詰めた歯を金属冠で被せる)は、恒常的に電気を発することになり、慢性病が出る。 何かを食べた時に唾液を通して接触したり、フォークなどの金属が触れたときに電気を発すると突然のショックが脳や身体に走る。 異種金属間の発電は、アマルガム以外でも発生する。
 
 アマルガムの除去は、水銀蒸気が発生するので、十分に患者も医師も防護して、吸い込んだりしないようにする必要がある。 よく排気し、保護用のマスクや口中の保護膜が必要。 十分に危険性を知っている医師にやってもらう必要がある。 
 除去後は、樹脂などにするが、自分がアレルギー反応の無い種類を選択するようにする。
 除去後は、体に残った水銀を排出して解毒する必要がある。

 病巣感染: 虫歯が酷くなると神経を抜く場合が多いが、神経を抜いてしまうとその歯は死んでしまう。 歯の栄養は歯茎の血管から神経や象牙質細管(極微の細管で無数にある栄養補給の通路)を通ってエナメル質を通り歯の外へと出る流れに沿って供給される。 神経を抜いてその穴を詰めることは、その流れを止めることで、歯に栄養が供給されなくなる。 歯の神経は、歯の中で木の根のように主管があって支管が沢山あり、これを全てきれいにすることは不可能。 根幹治療では、主管だけを除去して掃除・殺菌をして詰め物を押し込むため支管の神経はそのまま残り腐ってしまう。 これを餌として、又口中から入って来る栄養分によって虫歯の象牙質細管に残った細菌が繁殖し、根管治療をした歯は細菌の巣になってしまう。 歯科医は完全に消毒するから大丈夫というが、実際には殆ど不可能。 もし、仮に処置時に十分時間をかけて消毒液が虫歯全体に回ったとしても、時間の経過と共に新たな細菌が入り込んで巣を形成する。この巣から歯槽骨中の細管を通り、詰め物の隙間を通って細菌が血液中に入り込んで全身に巡って行く。 主管に詰めたガタパーチャ(樹脂)も、時間と共に硬化するが、同時に縮んで隙間が出来る。 この全身をめぐる細菌が、様々な重大疾患を起こすことは、余り知られていない。 この血中を駆け巡る細菌は、新たな宿主組織や臓器を見つけるとそこへ病巣を形成する。 そうするとその臓器や組織は細菌に侵され重大な障害を起こす。

 虫歯予防: 虫歯になって、食生活を変えなければ、どんどん進行し、歯周病、歯肉炎、神経炎となって根管治療を余儀なくされる。 そうすると病巣が出来、それによる感染も重篤になってくる。 免疫力が強い間は、細菌も抑えられるが、虫歯が進行するような食事を摂り続けると免疫力も必然的に落ちてくる。 そうなると、思いがけない組織や臓器にその影響が出てくる。時には脳に行く場合もあるし、関節炎になって歩けなくなる、腎臓病で人工透析が必要になるといったようなことが起こる。 歯科医の選択は、非常に重要になってくる。 日本の歯科医は、この点を十分に理解したり、治療に取り入れている者が少ない。 
抜歯して、インプラントにするのも問題が多い。 自由診療(保険がきかない)で非常に高価だし安全性も不明な時に、しきりに勧める医者がいるがこのような医者は避けるべきだろう。
自分の歯は自分が守るという意思をしっかり持って、歯医者の好き勝手にさせてはならない。 金も歯も無くさない心がけが必要。虫歯は、食生活が間違っている事を表してくれている。この警告を深刻に捉え、精白穀物、砂糖、加工食品、清涼飲料水などをやめ、有機栽培の全粒穀物、生菜食、低温調理などに心がけます。歯は再石灰化ができ、虫歯も食べ物を変えることで回復してきます。溶けた歯も元に戻ってきます。歯の神経組織まで細菌に感染してしまうまで免疫力を低下させないようにしましょう。

治療済みの場合は:
 既に虫歯になって歯を削られたり、詰め物や被せ物を施されてしまった場合も、速やかに食事を変えできるだけ根管治療をしないようにしましょう。根管治療まで進んだものは、体の他の部分に異常が現れないか慎重に監視する必要があります。疲れたときに出る症状に注意しましょう。重大な場合は、根管治療した歯を抜いてしまう必要があるかもしれません。現在は抜かずに歯を磨く事で回復しようという事が言われていますが、食べ物を変えずには不可能です。未開人は全く歯磨きをしなくても健康な歯を一生持っていました。歯磨きをしなかったから虫歯になったのではなく、加工食品業界の言うがままに食べてきたからなったのであり、歯医者の言うがままにいじらせたからどんどん悪くなって歯無しになるのです。人間は本来どんな生き物であり何を食べるのが自然なのかを考えればおのずと答えは出ます。抜歯もただ抜けばよいのではなく、歯槽骨まで細菌が繁殖している場合は、歯槽骨も削る必要があると指摘している歯科医もいます。いづれにしても骨がぼろぼろになるような食事はご法度です。
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ビタミン
ミネラル
 
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酵素

 酵素は、身体が正常に機能するために必要な化学反応を仲立ちするもので代謝酵素と消化酵素がある。 酵素にはミネラルが核をなして形成するため、ミネラル無しでは必要な酵素が出来ない。

代謝酵素: 心臓、脳、肺、腎臓、その他の臓器を正常に機能させるために欠かせない。 酵素には分かっているだけでも数千種類あり身体の細胞組織を働かすためには欠かせない。
消化酵素: 消化酵素は食べ物を消化するために必要なもので、必要なミネラル・バランスが欠けると消化/吸収が出来なくなり栄養失調になるだけでなく、未消化のものは様々なアレルギー源や毒物として作用する。

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生食について

料理すればするほど消化、吸収が難しくなるという事は殆ど知られていないが証拠はたくさん有る。 これはどんな食べ物でも共通です。料理する温度が高ければ高いほど、腸内に留まる時間が長くなり、消化器官が消化するのに時間が掛かるのです。 こうなると食べ物の吸収が悪くなり細胞レベルでの分解が困難になります。 食べ物が細胞レベルで使えなくなれば、その細胞は栄養の欠乏や未消化物が変質して毒性を持つようになり、それが全身の欠乏や毒となって、身体機能は最適状態からは遠くなってしまうのです。


どんな食品にも温度変性点があります。 温度変性点とは、食べ物の化学組成が変わる温度のことをいいます。 全ての食品は、炭素、水素、窒素、酸素からなり、これにミネラルが加わって様々な化学成分を構成します。人類は、特定の化学組成の食べ物を食べた先祖から始まっています。 私達の消化酵素は、これらの化学組成を持った食べ物を消化するように出来ています。 食品が、熱変性点を超えて加熱されると化学組成が変わります。 殺菌、揚げ物、バーベキューなどは、熱変性点以上に加熱する調理法です。 人体は、この新しい化学組成を解釈できませんし、これを楽に分解する酵素を持ち合わせていません。


食べ物が適切に消化されないと、腸に留まり吸収出来ずに毒に変わってゆきます。 炭水化物は醗酵を開始し、蛋白質は腐敗し、脂肪は酸敗してゆきます。 これらの毒は胃腸の粘膜を刺激します。 また腸内細菌を中毒させ、腸内の生態系を狂わせてしまいます。 300−400の細菌が影響を受けカンジダなどの病原菌が異常増殖する原因になります。 腸壁への刺激によって消化器官の内壁を構成する細胞が膨張し、腐敗した未消化の食べ物が血流に入り込むようになって、漏性腸症候群といわれる状態になります。 これらの物質は、「フリーラジカル」と呼ばれ、カダベリン、エンドール、ピュートリシン、フェノールといった手強い名前を持つものがあります。 


解毒するのは肝臓の役目ですので、肝臓は働きすぎの状態になり、仕事をこなせなくなります。 血中の未消化だったり部分的に消化された食べ物(高分子の状態)は、大きすぎて細胞に入って働くことが出来ません。 そうなると体のあちこちで悪さをします。 これは一種のアレルギーです。 頭に行けば、典型的な鼻水、涙目、喉のいがらっぽさ、目の痒み、副鼻腔炎、くしゃみ等のアレルギー症状が出ます。 脳にも回って、頭痛やイライラ、怒りっぽい、腹立ち、疲労、分裂症、発汗などを起こします。 腐敗した食べ物は、関節や組織に行き関節炎を起こし、神経に行くと多発性硬化症を起こします。 これらの高分子は皮膚にも到達してにきび、浮腫、乾癬、吹き出物になります。 体の柔らかい組織ならどこでも溜まり問題を起こします。


遂に、免疫システムが体を守るために動き出し、未消化分子を体が使える成分に戻したり、体の外へ連れ出したりします。 免疫システムは、消化器が出来なかった作業をすることになりますが、本来は食べ物を加熱しすぎたり、過度に加工した食品に対応するための日常的機能は持っていません。 この状態が続くと免疫システムが疲労してきて、感染症や退化病への対応が出来なくなります。

残念ながら、中毒反応を起こすのは、熱変性点を超えて過熱されるポテトチップス、揚げ物、バーベキュウ、ケーキミックスといった食べ物ばかりでなく、砂糖、カフェイン、アルコール、コルチコステロイド、抗生物質、アスピリン、処方薬、市販薬を取り込むと体の化学組成が変わり、未消化の食べ物が血中に入り込むようになり、ありとあらゆる障害をもたらすのです。


カリフォルニア大学デービス校でパンの調理法を変えてどのように消化されるかを実験しています。 まず、ほんの僅か、次が普通に、3番目に焼きすぎたものの3つ。 僅かに焼いたものは胃を速やかに通過して消化に問題は起こさなかった。 しかし、長く焼けば焼くほど腸内での滞留時間が長くなった。 黒く焼きすぎたパンの場合、血液中に免疫反応が出た。 血中の未消化の食べ物は、免疫システムが外部からの侵入物と認識して免疫反応を起こしてしまうのです。


調理温度が44.5゜Cを超えると、食べ物の中の酵素が使えなくなるので、食べ物を消化するために自分の酵素を使う必要が出てくる。 膵臓は食べ物を消化するための酵素を出すが、使いすぎると疲弊してくるのでそれは避けたい。  揚げ物や圧力鍋で調理したりバーベキューにしたものを食べると免疫系が動き出すということを確認した研究がある。 免疫系は、バクテリア、ウィルスその他の異物に対して働いて欲しいもので、食べ物では動いて欲しくないものです。 外部侵入に対して強力であって欲しいものです。 この研究と熱変性点の原理から、食べ物を調理するのは最低限が良いという事になります。 生で食べられるならそれに越したことはない。 調理する場合でも、軽く蒸す、低温で焼く、シチュー、掻き混ぜながらすばやく焼く、電気鍋(crock cooker)を使うなどするのが適当。 できるだけ加工しすぎたものや過熱しすぎたものは摂らないようにする。 ケーキミックス、粉乳、乾燥卵、ピザミックス、乳製品、その他の加工した包装食品に含まれている揚げ物、バーベキュー、殺菌したもの、乾燥したものやその他の過度に加工したり調理されたものは、消化するのが難しく体の負担が大きい。 自然なものを召し上がれ!
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青汁
 野菜の有効な成分を生で摂取する方法として、様々な効用が言われています。 ゲルソン療法のガン栄養療法では、中心的食材です。 勿論他の療法、治療においても野菜のとその青汁の効用は殆どが取り入れています。
かなりの進行ガンでも治すことが実証されているゲルソン療法には、有機栽培のものしか有効ではありません。 これは、有機野菜でなければ却って農薬を摂ることになり、また栄養価も低いため、得るものよりも害になるものの方が多くなリ症状を悪化させてしまうからです。
青汁には、ミネラル、ビタミン、酵素、オメガー3脂肪酸、アミノ酸などが豊富にあります。
青汁は絞って30分ほどで60%くらいの栄養分が酸化して壊れますので、自分で野菜を搾って直ぐ飲むのが最も適切な方法です。 また、絞る機械もできるだけ酸化しないようなものを選ぶのが良いでしょう。
 
ゲルソン療法の本によると以下のようなジューサーが必要とあります。

おろしと絞りが別々のものでなければ、空気の供給が悪く陽電荷が発生して、
周囲の壁にマイナス電荷を誘導して電流が流れるようになり、この電流によって
酸化酵素が壊れてしまい青汁の効果がなくなってしまう。
この要件に合う機械は、おろして遠心力を使うジューサーでは不適切であると書かれています。

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ホルモン
ホルモンは内分泌システムを維持するもので身体化学バランスを取るのに欠かせない。 内分泌線には、副腎皮質、甲状腺、膵臓、副甲状腺、松果体、視床下部、生殖腺(卵巣・精巣)などがある。 これらは相互に補完しあうが、生体の化学バランスが取れない状態が続くと疲弊して機能しなくなる。
 例題:インシュリンは砂糖を代謝するのに重要なホルモンで、糖類や精白した澱粉類を沢山摂ると血糖値を下げるためにインシュリンが多量に分泌されますが、これは何故、また摂り続けるとどうなるでしょうか。 (低血糖症、糖尿病) 
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恒常性・ストレス・心身の相関
 精神的なストレスが身体の化学バランスを崩すが、これも単純にリンとカルシウムのバランスを測定すると他の全てのミネラルバランスが影響されているかどうかが分かる。 日常の生活の中で自分がどのように問題を処理するかということがストレスを生むか解消するかを決める。戻る

 

アレルギー
皮膚湿疹、花粉症だけがアレルギーではない。
 アレルギーは、基本的に未消化で血中に入ったものが異物として免疫反応が起こり発生する事がわかっています。 また近代食を食べる私達は、殆ど全員が何らかのアレルギーを持っています。 未消化ということは、あらゆる食べ物が未消化になる可能性があり、アレルギーを起こす可能性があることとなり更にその症状も消化の程度や種類によって様々になる筈である。 事実その通りで、未消化のものが血液中に入って様々な部位に至りそこで同じ原因物質でも違う部位で様々な出方をするし、人によっても程度や出方が違う。 未消化のものは体が利用できないのでそれを代謝したり異物処理するために体から必要な酵素やミネラルなどが消費される。 この原因は砂糖等の摂取によってミネラルバランスが崩れ、ミネラルの崩れによって出来る酵素のバランスが崩れてしまうために消化酵素の不具合が生じ消化不良が発生する。   未消化のものによって免疫システムが過労になってしまい、その状態が続くと破綻してアレルギー反応として症状が出て来る。 この段階では花粉症、関節痛、頭痛、疲労などの症状が出る。 更に続くと慢性的になる様々な退化病が出て来て遂にはガン、心臓発作、脳軟化、糖尿病、免疫不全症候群、生理障害、虫歯、歯槽膿漏、心臓血管病、精神病などに至る。 

食べ物が未消化になる要素
 1.砂糖、精白小麦、精白米などの摂取によりミネラルバランスを喪失して消化酵素が不足する。
 2.大量に特定の食品を摂る為、該当する消化酵素が無くなる。
 3.強いストレス(怪我、病気、精神的ストレス等)があって血液循環が悪くなり、身体機能が低下する。
 
アレルギーの第一段階 急性症状
 
酒、タバコを例に考えると分かり易い。 初めて代謝バランスを崩すものを飲食した場合、急性期には呼吸が苦しくなる、目眩、吐き気、頭痛、血圧の上昇等の急激な反応を示す。
第2段階 適応と慢性症状
 
アレルゲンの刺激を与え続けると免疫系が疲弊して反応が鈍くなり一見無症状に見えるようになる。生体化学バランスが崩れたままになり、消化酵素に必要なミネラルも足りなくなるため未消化のものが血中に入り続ける。
第3段階 中毒と退化反応
 
アレルギーによる症状が、アレルゲンの摂取によって一時的に和らぐようになる。 これを勘違いしてアルコール、タバコ、砂糖等が必要だと思いとり続けるようになる。 これを摂らないと禁断症状が出て、欲しくてどうしようもない渇望が出てくると明らかに中毒状態。 中毒状態を続けると免疫系が停止し、あらゆる物にアレルギー反応するようになる。 また、退化病も顕著になる。 虫歯がバロメーター

食品の熱変性と消化不良
 
食品を加熱調理すると、殆どのものが50-60度Cで熱変性し、消化できないものになる。 一部ビタミンは破壊されないものもある。 ミネラルは、酵素やビタミンとして有機体で食品に入っているのが吸収されるもので、有機体が壊れた状態では体内に入っても利用できない。 これが有機生産された健康な植物、動物を生食することの意義であり、未開の人々の健康が示す教訓ではないでしょうか。

土の健康と体の健康
 
正常な身体機能を発揮するためには、必要な栄養分が十分に供給されている必要がある。 これを供給するのは、健康な植物であり、更に豊かな土であり、豊かな土とは自然な腐植が沢山あり、必要なミネラルが全て十全に備わった土のこと。 そのような土から取れた飼料を食べた家畜の糞尿にこそ十分な力があり、また土中深く必要な養分を吸い上げてくれている落ち葉による堆肥こそ豊かな土を作る。 
化成肥料でも形は育つが必要なミネラル、ビタミン、酵素、蛋白質等生命力に溢れる野菜は得られない。
病気にならない野菜が健康野菜の目安。 細菌、カビ、昆虫は空気と同じに存在するのが当たり前でそれを跳ね除けて育つのが人や動物の体に良い健康野菜。

 土中の腐植を増やすことによって、根が必要とする空気、水、栄養素が供給される。 豊かな堆肥こそが豊かな実りをもたらす出発点。 
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ガン
 ここで、論ずるのは、ガンに素晴らしい効果をあげている『ゲルソン療法』の方法とその理論的背景としたい。 というのは、ゲルソンの治療法は栄養療法で、人体の異常を更なる化学物質で攻め立てるのではなく、本来必要とする栄養を与え、害になるものを除去することによっているからである。 

 以下に、彼の考え方を記する。

 ガンは全身性の中毒症である。 従って、ある臓器が顕著にガン症状を示した時には、その臓器だけが症状を呈しているのではなく、他の組織も全て同様に破綻状態が近いことを示している。 つまり、転移ではなく、症状が進行しただけのことだといえる。 今の治療方法(薬物、摘出、放射線)は、全身的に疲弊した状態を改善しようとしないため、事態を悪化させるのみでわずかに残った生命力を消耗し終わったら死を迎えるような治療法といえる。 

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輸入農産物
安いだけではすまない!

 今は世界中からどんな物でも入り季節に関係なく選べる時代ですが、実際はこういう行動が色んな歪みを生み出しています。 例えば、日本の農家の減少。 輸入農産物が安くて日本の農家はやってゆけません。 しかし、安ければよいと思っているかもしれませんが、輸出している国の事情はよく理解してから安さを考える必要があります。 東南アジアでは、日本人が享受している社会保障制度は完備していませんし、住宅事情、交通事情なども劣悪です。 日本の農家もきちんと健康保険税、住民税、年金などを払っています。しかし、これらの国では医療も年金もありませんし、図書館や運動場といった公共の施設もありません。学校も病院もないところが大部分です。 日本が安く買い続けることはこれらを今後も途上国の人々は手に入れることが出来ないことを意味します。 その上、日本に合った物を栽培させることをしています。これの意味するところは、本来亜熱帯の気候が多い土地で日本に合った物を作る無理が生じます。農薬、化学肥料、輸送のための鮮度保持材と高価な資材を買わせ、環境を破壊しています。同時に農民の健康も破壊しているのです。 日本はそんな彼等を保障しますか?健康や、住宅や学校、病院、老後、そして未来の子供達が安全に暮らせる環境を保障するでしょうか。

食糧は東南アジアからアフリカ中南米と至る所から来ています。多くの貧しい国には飢え死にする人や子供達が沢山います。 そういう国でも、日本に食料を輸出しています。 高く売れるからです。世界の餓死者は1日に5万人といわれています。 日本は自給率が穀物で27%です。 輸入が途絶えたら日本に餓死者がでます。想像できないことですね。 でも確実にそうなります。輸入が途絶えたとき誰が農業をやりますか。突然農業で米を作れといわれても作れませんね。 輸入のかなりの部分をアメリカに頼っていますが、アメリカの土地の疲弊は想像を絶するほどです。そこに目を付けたのが遺伝子組み換え作物です。

 このアメリカの劣悪な食料が多大な農業補助金を受けながら世界中にタダ同然、若しくは地元の農業を潰す目的で安価に輸出されています。 貧しい国の土地は、大地主によって日本や欧米に売るための換金作物を作っています。小作人は、自分の食べるものを作るべき土地で売るものを作るのです。そして、アメリカからの劣悪な戦略食料を食べるのです。

 更に、食糧を輸入することにはリスクが伴います。 今の所顕在化していませんが、国際的天候異変によって世界的な不作という事態が考えられるのです。 また、今のアメリカの遺伝子組み換えを含めた世界食糧戦略が上手く行くと、食糧によって他国を思いのままに操れるようになる可能性があります。 隷属化することになります。 日本は、アメリカや諸外国へ工業製品を売るために、農業から人材を移し、農業自体を最低限に落ちるに任せています。 米の輸入関税が撤廃されれば、米の価格は1万円を切る可能性があり、そうなると全く米農家は立ち行かなくなります。 

輸入農産物の量と日本の自給率は、(参照http://www.mizuho-s.com/santyan.htm)総体として非常に不健康な状態になっています。国内耕地面積は、479 万ha、海外の耕地面積はその2.5倍にも当る1200万ha。海外に依存している作付面積1200万haのうち、主要な輸入農産物の生産に必要な海外の作付面積は、小麦が242万ha、トウモロコシが215万ha、大豆で199万ha、その他の作物294万ha(うち菜種132万ha、大麦等79万ha)、畜産物(飼料換算)250万haとなっています。
 それに比して国内耕地面積479万haの内訳は、田は262万ha(しかし実際に稲作が行われている作付面積は170万haです)、畑217万ha(普通畑118万ha、果樹園35万ha、牧草地65万ha)となっています。
 昭和35年当時は、人口が9000万人、自給率が85%あり、耕地面積は813万haでした。当時は勿論食品廃棄物はほとんどなく全て有効利用されていました。この当時と同じように食料を大切にし、伝統食を維持していたなら同じ自給率は、1084万haで済む事になり、現在総計の国内外合わせると1679万haの耕作地ですが、流通の都合上(形、大きさ、色合い、市場価格など)消費されずに捨てられるのがその耕作面積の差595万haに相当する35%はあると見て差し支えないのではないでしょうか。100%達成するには1275万haの耕地があって35年と同じ食生活を営む事で可能になります。更に、近代の農業技術を考慮すれば耕作面積の効率的利用も可能なはずで、有機農業的手法も開発次第では、慣行農法以上の効率的生産ができる可能性があります。
米農家の農業所得
 現在(平成15年)米の生産者価格は、一俵(60kg)約18,000円です。 米農家の平均栽培面積は、二町歩(20反)です。 一反8俵取れたとすると146,000円/反で、二町歩で292万円/年の収入です。 これで家族何人暮らせるでしょう。 しかし、労働は大変です。 特に有機栽培の場合除草に農薬を使いませんので、到底一人では出来ません。 下の表で6,000円は、関税を完全に撤廃した国際水準に合わせた場合の価格です。 96万円の年収では、とても大変な労働に生産費を考えると全くの赤字です。 この値段では、大規模化の企業農業でも成り立たないでしょう。
  
価格/俵 現在の年収を確保する
ための農地面積(10a)
農地面積が変わらない
場合の年収(万円)
18,000  20 292
15.000  24 240
10.000  36 160
 6.000  61 96

 米の消費量はどんどん減って、現在900万トン(2002年)となっています。
ところが、食品廃棄物は、2000万トン(2002年)に達しているのです。 これは、一体どう考えたらよいでしょうか。飽食、無駄、他国農業の破壊、自国農業の崩壊。 私達は、目先の利益のためにかけがえの無い自然を破壊し、様々に化学物質を多用した不健康な食品を農場からではなく、工場から得るようになっているのです。 そして、破綻している30兆円の国民医療費を払ってもなお不健康な人が年々増えているのです。

農業人口が減ることになり、かつ農地は荒れることになります。
 この食料を国境や県境を越えて売ったり買ったりというのは、本当は命の営みを非常に妨げる物だと思います。身土不二、地産地消を生産者と消費者が手を取り合ってやって行くのが健康で海外に迷惑をかけない依存しない生き方だと思います。

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BSEとCJD
鶏インフルエンザ
 日本では山口県で問題になり、現在東南アジアを中心にアメリカまで飛び火した鶏インフルエンザについて、政府も研究機関も早急なワクチン整備を対策として掲げているが、いつもの対症療法で原因はほったらかしといえる。この病気は72年ぶりだというがその当時の事はあまり報道されていないが、今とは違い飼育法や餌、規模などは全く違っていたものだったと思う。単純に同じ病気とはいえないし、その被害の状況も全然違っていた筈だ。当時は極少羽数で、被害も少なかった事と思う。
 流行病でも慢性病でも、必ず罹る固体と罹らない個体が有る。現在の手法は罹った個体だけを見て、さらにその病原菌だけを見るというふうにしている。罹らない個体は何故罹らないのか、違いは何なのかを明らかにしようとしてこなかった。
 私はここのコラムを通してずっと主張してきているが、栄養が適切であれば、そして十分自由に動き回れる環境であればどんな細菌であろうとそれを克服する能力を本来生命体は備えている。そうでなければ、生命40億年という長い時間を生き延び進化してこれなかった筈だ。
 対策は、飼育法、餌、飼育者の考え方、関わり方を見直すことだ。自然な状態で生息する時を基準にしてそれに出来るだけ近い飼育法に変えることが、ワクチン開発やハイテク予防施設を作るよりも的確に根本から対策することだ。病鶏も全羽数殺すのではなく、まず健康な飼い方に変えて、生き残るのを繁殖させるようにする。それは、自然に抵抗力と免疫力を付けたことを意味し、独自にワクチンを体内で生産した事を意味するからだ。

 まず、飼育法を自然に戻し、餌を野生の鳥が摂取する物に近いものにする。死鶏の処理は、埋めるよりも他の有機物と混ぜて堆肥化すべきだろう。細菌は、世代交代が早く、それゆえ短期間に大繁殖するのだが、最適な繁殖条件が揃わなければ、その条件にあった他の細菌が取って代る。堆肥を2年くらい好気性環境において醗酵させるのもそのためだ。
 密飼いをやめ、ケージ飼いをやめること、自由に運動できる環境にすること、餌に抗生物質などを使わない事、ワクチンなどを接種しない事、成長促進ホルモンなど薬剤を使わない事が原則だ。
目標は、放し飼い。それに出来るだけ近づける事が対策になる。

 もう一つ重要な問題を投げかけている。それは、このようなことが頻繁に起こった場合の食糧確保の問題だ。食糧の60%を外国に頼る農業や食料政策が引き起こした問題ともいえる。食料は安ければ、安全性や食糧主権は二の次という事でよいのかという重大な問いかけ。これも、政府が、企業がという前に自分達一人一人の決断と選択が迫られているということだ。つまり、企業が悪い、国が悪いといって自分は輸入農産物や加工品を買い続けているのでは、何も誰も変わらないのではないだろうか。
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消費者の権利と責任
 消費者は何をどれほど買うかという選択を持っている。それを権利として良い物を安く、いつでも何処でも手に入るようにして欲しいと言うのが望まれている。と思われていると言ったほうが正しいか。長い流通の歴史の中で、消費者と流通業者が共にそのような概念を作り上げてきたと考えたほうが良いかもしれない。
 需要の創造という言葉があるが、欲しくないものをいかに欲しくなるようにするかが生産業者、流通業者のテーマだった。経済的に成長しなければ存続できない、事業制度、資本制度のもとでは、常に利潤を出して、利子を返し続けなければならないようになっている。そして存続することが社会に役立つ事だとされている。社員に仕事を与え、地域にインフラを増やす。その業務内容がいかに反社会的、反生命的、反モラル的であっても成り立つ原理だ。こうして、今の環境、人体に害を成す事業でも需要を創出する事に成功すれば社会的認知を受ける。
広告業界が大手を振って、人間の購買操作を可能にするのもこのような背景があるからだ。
今は、環境、リサイクル、健康といった面を強調すれば、実際にはいかに害があろうとも売れる。事業者にとっては、生産性向上、経済性、利益率、差別化、市場受入れ、シェア拡大といったことがその事業活動を刺激する。
 消費者の購買行動がいかにマクロの環境や思考に関係があるかということがほとんど認識されていない。今食品に起こっている問題、健康を脅かしている問題、BSE,SARS,エイズ、鶏インフルエンザ、GM、原子力、イラク派兵など皆その根本には、経済効率と安いものを大量にという誤った基準で食品生産、健康管理が行われているからだ。これには様々な業界が関わっている。農業、食品加工、広告、流通、金融、医薬品、医療、健康補助食品、教育、検査業界等々。これら業界全体が、いのちを無視した経済効率だけの発想で環境やいのちを損なってきており、国民を欺き誤った知識や思考を植え付けてきた。
 一方で、環境や健康を問題視する人達からは警告や問題点の指摘も行われてきている。環境も健康状態も世界の政情も悪化している事実は、これらが十分に浸透していない事と消費者一人一人の行動や考え方がそれらの情報を正しく評価していないことによるのだろう。
 もし、今何を買うかがGMを支え、イラク派兵を支え、エイズの蔓延、BSEの発生を支えているとしたらその責任は重大だ。そう、社会は一人一人の消費者がどういうものを買うかで動いているのだ。その積み上げ、総量が企業動向を決め、政治を決めているといっても過言ではない。選挙は、誰を選ぶかだが、政治家がどのような政策を選ぶかは、消費者が何を買うかで決まるといえばどうだろう。
 私一人くらい、これ一つくらい、今は余裕がないからと選んだものが、将来の自分の健康、子孫の健康を損ない環境を住みづらくし、人間の存続も危うくしているのだという因果が働いているのではないだろうか。毎日毎日の自分の選択が勇気のいる決断を伴っている事に思い至ると背筋を延ばさなければならない。そして、その結果に責任があるということを認識する必要がある。

 政治が悪い、企業が悪いと他人のせいにする前に自分は責任ある消費行動を取っているかを問わなければならない。
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