千葉県有機農業推進連絡会

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こでは古今様々な農法が築かれてきたうちの自然の力を最大限に引き出そうとする農法を紹介します。 
有機農法 自然農法 自然農 バイオダイナミック農法
様々な農法が考案され実践されており、また各農法でも実践者によってやり方が違うのが農業の特徴である。 一方化学農業では、どこで誰がやっても同じになるように環境を制御し、同じ種を使い、同じ機会を使って自然を破壊しながら所期の結果を得るようにしている。 ここで述べる農法も主な特徴を述べるもので、実践においては皆違うと考えるのが現実的だろう。 それがまた、農業を楽しくする要素でもある。 本来農業は、その人の自然の捉え方、考え方が反映するものであるべきで、化学農法のように商業的動機や消費者の関心が主な動機づけとなるべきではない。また科学農法、慣行農業の大きな特徴は、農家が自ら考えることをしないという非常に重大な欠陥がある。これは、種苗会社、農薬会社が自らの利益にかヌ用に農家を操ることにつながっている。その際たるものが遺伝子組み換え作物だろう。種子の自給は、農家の最も重要な作業だ。現在では殆どの農家が種苗会社の種子を買うようになってしまった。 
 実践においては、各人その原則を学び、様々な自分の考えや自然観を映し出して大いに自分流を楽しんでいただきたい。 自然は、それが理に適っていれば、健康と充足というご褒美をくれる。

有機農法
 現在一般的に行なわれている有機農業は、有機物を堆肥化し、これを圃場に還元して地力を維持しながら再生循環して行く方法で、有畜複合の小農ということが推奨されている。 また、病害虫対策や連作障害を防ぐために多品種を混作する方法が一般に行なわれている。有機堆肥には、植物質と動物質の割合が7:3くらいが良いとされ、これ以上動物質のものを増やすのは病害や生育不全が起こるとされている。 特に重要なのは、植物質の中でも臓器の落ち葉広葉樹の落ち葉でこれには、様々なミネラルが含まれており微量要素が供給されるために貴重である。 最近は、畜産が大量の輸入飼料によって推進されており、工場畜産の畜糞が環境汚染の問題を引き起こしており、これを農地に還元しようという行政の動きが盛んになってきている。 しかし、工場畜産では、その飼育法や飼料が動物本来の生態を全く無視して虐待に近い状態であるため、ストレスと病気が絶えずこれを防ぐために大量の抗生物質や薬剤が投与され、かつ成長促進などのためにホルモン剤も投与されている。 これを安易に利用するのは有機農業とはいえない。 下水処理場から出る活性汚泥なども同様である。 
有機農業技術は、基本的なものは、日本勇気農業研究会から醗酵されている「有機農業ハンドブック」に掲載されており、また最近は有機農業の原点ともいえるアルバート・ハワードの「農業聖典」が刊行されている。また、日本有機農業研究会の創始者である一楽照雄氏はJ.I.ロディルの「有機農法」を訳出して出版している。

有機農法 農文協 1236円
農業聖典 コモンズ 3800円+税
有機農業ハンドブック 農文協 3800円

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自然農法

 自然農法と呼ばれる農法には、福岡正信氏の「無為」の自然農法と、世界救世教の創始者岡田茂吉氏が唱え実践した自然農法があり、名称は同じだがその内容は全く違う。 

福岡氏は、人間が何かをすれば自然全体が狂いそれを維持するために近代農法が無限の闇にさ迷っていると説き、何もしない無為の「無」の哲学を強く説いている。 実践編として自然農法「無V」には米麦不耕起直幡法があり、連続で耕さず堆肥を作らず、人間が食べるもの以外は全て自然に戻すことで還元する。また、不耕起で自然を乱さないため自然は年々肥沃化し、何もせずに豊かな実りが得られると説いており、その豊かな実りの写真が紹介されている。 しかし、福岡氏が不耕起を始めて、その農法を一般に提示するまで約25年の歳月が掛かっており、実際に不耕起、無除草、無肥料である程度生産できるようになるには数年というわけには行かない。 確かに、自然の草原や林野は毎年毎年何もしないのに緑が茂り、多くの昆虫や動物を養っている。 現在、福岡氏の農法は海外で受け入れられており実践者も居ると聞くが、日本では継承している人は寡聞にして知らない。自然農法も自然農も稲作ではある程度の成功を収めているのは、水田という独特の環境が地力を維持するためだと考えられる。しかし、畑作では余り有機農業や慣行農法に匹敵するようなところには程遠いというのが実情といえる。

春秋社 無V 2,800円 わら一本の革命 1602円+税

一方、救世教の自然農法は、MOAが長野と静岡に自然農法国際研究所という試験圃場を持っていて、不耕起草生栽培や部分耕起草生栽培などの研究をしている。 一般の実践者は、動物質を使わない植物質だけの堆肥を施しているが、実際には畜糞を使っている実践者も多いようである。 また、連作の害が無く、連作すればするほど良くできるようになるという人もいてその真偽のほどはやってみていないので分からない。 微生物EM菌を使った農業をしている派もあり、救世EM農法と呼ばれている。 EM菌はそのボカシが家庭の生ゴミをボカシ和えにして臭気を防ぎ生ゴミ堆肥化に役立つということで急速に広まっている。 しかし、家庭生ゴミの行き場が無い状態で結局ゴミ回収に出している例もある。 家庭ごみの大きな問題点は、よく分別されておらず、金属やビニールくずなど畑に相応しくない物が多いことが一因であるのと、そのゴミの中身が有害重金属や化学物質等の汚染問題も懸念されて、有機農家からは敬遠されている場合も多い。 総じて、その機械利用や農業資材利用の面では、近代農法、有機農法と殆ど同じ程度に使っている。 

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自然農

 これは、奈良県在住の川口由一氏が福岡正信氏の自然農法に啓発され実践して行く中で独自に様々なやり方を工夫して作り上げた不耕起無肥料で草も虫も敵としないという農法である。 現在日本では、かなり実践者が多くその大部分が自給的農業として取り組んでいる。 多分に哲学的側面が強く、実質収量では稲作以外では余り多収を達成している例は無い。 しかし、数軒の農家は、僅かだが販売量も確保し数十軒の消費者に届けている農家も居る。 「持ち込まず、持ち出さず」を原則とし、地表面はできるだけ雨風日光に曝さないようにするために抑草技術が鍵となる。 労働集約的農法なので、小面積でもかなり手間が掛かるがその分自然と向き合う時間が長いので自然の理解が進むようにも思える。 この農法を実践するには、自給が根底になければならず、その延長上にしか販売は考えられない。 自然農で使う道具は主にのこぎり鎌と鍬だけである。 抑草は、種蒔きのときに表面を種を蒔く部分だけ鍬で地表面を削り、種を下した後は削った草や土を覆土として使う。 その後は、野菜が草に負けない程度にのこぎり鎌で刈り敷きしてゆく。 基本的に苗作りはせずに直播を主体としている。

野草社刊 2,800円

自然農は実践者の会が毎年会場を移動しながら全国各地で開かれてきており、2003年度は静岡県で開催される。
自然農の具体的実践についてはこちらへ

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