千葉県有機農業推進連絡会 有機ネットちば |
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日本有機農業研究会 設 立 趣 旨 書
1 主旨
科学技術の進歩と工業の発展に伴って、我が国農業に於ける伝統的農法はその姿を
一変し、増産や省力の面において著しい成果を挙げた。このことは一般に農業の近代
化といわれている。
このいわゆる近代化は、主として経済合理主義の見地から促進されたものであるが、
この見地からは、我が国農業の今後に明るい希望や期待を持つことは甚だしく困難で
ある。
本来農業は、経済外の面からも考慮することが必要であり、人間の健康や民族の存
亡という観点が、経済的見地に優先しなければならない。この様な観点からすれば、
我が国農業は、単にその将来に明るい希望や期待が困難であるというようなことでは
なく、極めて緊急な根本問題に当面していると言わざるをえない。
即ち、現在の農法は、農業者にはその作業によっての傷病を頻発させると共に、農
産物消費者には残留毒素による深刻な脅威を与えている。また、農薬や化学肥料の連
投と畜産排泄物の投棄は、天敵を含めての各種の生物を続々と死滅させると共に、河
川や海洋を汚染する一因ともなり、環境破壊の結果を招いている。そして、農地には
腐植が欠乏し、作物を生育させる地力の減退が促進されている。これらは、近年の短
い期間に発生し、急速に進行している現象であって、このままに推移するならば、企
業からの公害と相俟って、遠からず人間生存の危機の到来を思わざるをえない。事態
は、我々の英知を絞っての抜本的対処を急務とする段階に至っている。
この際現在の農法において行われている技術はこれを総点検して、一面に、効能や
合理性があっても、他面に、生産物の品質に医学的安全性や食味の上での難点が免れ
なかったり、作業が農業者の健康を脅かしたり、施用するものや排泄物が地力の培養
や環境の保全を妨げるものであれば、これを排除しなければならない。同時に、それ
に変わる技術を開発すべきである。これが間に合わない場合は、一応旧技術に立ち帰
るの他はない。
とはいえ、農業者がその農法を転換させるには多かれ少なかれ困難を伴う。この点
について農産物消費者からの相応の理解がなければ、実行されにくいことは言うまで
もない。食生活での習慣は近年著しく変化し、加工食品の消費が増えているが、食物
と健康との関係や食品の選択についての消費者の自覚に基づく態度の改善が望まれる。
その為にも、まず食物の生産者である農業者が、自らの農法を改善しながら、消費者に
その覚醒を呼びかけることこそ何よりも必要である。
農業者が、国民の食生活の健全化と自然保護・環境改善についての使命感に目覚め、
あるべき姿の農業に取り組むならば、農業は、農業者自身に取ってはもちろんのこと、
他の一般国民に対しても、単に一種の産業であるにとどまらず、経済の領域を越えた
次元で、その存在の貴重さを主張することが出来る。そこでは、経済合理主義の視点
では見出せなかった将来に対する明るい希望や期待が発見できるであろう。
かねてから農法確立の模索に独自の努力を続けてきた農業者や、この際従来の農法
を抜本的に反省してあるべき農法を探求しようとする農業者の間には、相互研鑽の場
の存在が望まれている。また、この様な農業者に協力しようとする農学や医学の研究
者においても、その相互間及び農業者との間に連絡提携の機会が必要である。
ここに、日本有機農業研究会を発足させ、同志の協力によって、あるべき農法を探
求し、その確立に資するための場を提供することにした。
趣旨に賛成される方々の積極的参加を期待する。
昭和46年10月17日